この動画の最後の方に見られるように、イチローがノーステップ打法に取り組んでいると言う報道が2月末からなされるようになりました。もちろんノーステップと言うのは、オートマチックステップとは別物になってしまうのですが、この誤解は当然、メジャーの選手にも見られるわけで、と言うよりもむしろオートマチックステップを理論無しで出来る選手の方が稀なのです。例えば、トリー•ハンターやミゲール•テハーダ等は、メジャーデビューした当時は明確なオートマチックステップだったのですが、年が経つと共に、脚を挙げるようになってきました。逆にアンドリュー•ジョーンズのようにノーステップに流れて行く(今はオートマチックステップですが)選手もいるのです。近年はオートマチックステップもどきが流行っているので、ますますオートマチックステップをキープする事が難しい状態になっているようで、オートマチックステップの打者の数に関しては恐らく90年代の方が多かったと思います。
しかし、それより何より「コッチ側」とは対極にいたと思われるイチローが、こういった取り組みをするようになったと言う事は、時代は確実に「コッチ側」に来ていると言う事の表れです。
もし、仮にイチローがオートマチックステップを身につけたとしたら恐らくジャスティン•モーノウやチュ•シンスのようなタイプ(成績では無くタイプとして)になるでしょう。恐らく、打法的にボールをじっくり見て行くタイプになると思われるので、打率よりも出塁率の方が顕著に挙ると思います。むしろ小技がやりにくくなるので打率自体は少し下がる可能性も有ります。しかし長打力は増すでしょう。ライナーで外野の間を抜ける打球が増えるはずです。当然、このモデルチェンジに成功すれば、現役をより長く続ける事が出来るはずです。
イチローさんへ。もちろん、お声をかけて頂ければ、喜んで塚口理論をお伝えさせて頂きます。メジャーに多い「ノーステップと言われる事が多い打法」には、奥深い理論が有り、それは私のような素人が実践を離れて机上で理論を研究しなければ発見しえない世界なのです。