2013年4月22日月曜日

デトロイト・タイガースに注目

2012年は惜しくもワールドシリーズでジャイアンツに敗れたが、今期は的確な補強をして、非常に期待出来るのがデトロイトタイガースだ。

投手陣

まず、投手陣。本格派の大型右腕が3人も揃っている先発3本柱はメジャー最強とも言われている。日本で言うと、松坂、涌井、前田健太が1チームに集まった感じだろうか。この3人を動画で紹介する。(ちなみに3人ともパンチャータイプ。そこも見所)

ジャスティン・バーランダー

ストレートは時に100マイルに達し、70マイル台の大きなカーブも投げる。そして、その中間の速度の変化球も大方の球種は投げる。メジャー最強右腕と言って良いだろう。2011年には24勝5敗と言う圧倒的な数字を記録した。

ダグ・フィスター

切れ味鋭いツーシームと、大きく美しいカーブを武器にする、クラシックなゆったりしたフォームで投げる大型右腕。3人の中では球速は遅いが、長身から高い重心のまま投げるので角度が有るし、ボールの動きは面白い。最高11勝。

マックス・シャーザー

バーランダー程ではないものの、95マイル以上の球速を出す本格派右腕。80マイル台中盤で、低めからボールゾーンに鋭く落ちる縦スラのようなボールで空振りを取る。この球が決まれば、まず打たれないだろう。最高16勝。

恐らく、ポストシーズンには間違い無く勝ち進むだろう。そうなった時、この3人の右腕がフル稼働することになれば、非常に見物だ。

打線

なんと言っても、プリンス・フィルダーと三冠王のミゲール・カブレラのコンビが打線の看板で、このコンビもまた、メジャー最強の呼び声が高い。

プリンス・フィルダーについては、この記事で紹介した通り、はちきれんばかりに体をねじり切るフルスイングと、柔軟な対応力が同居した高い打撃技術が見物だ。

一方、ミゲール・カブレラについては、流し打つ技術が半端無い。さらに腕を縮めてインコースを打つ技術も高いので、非常に手強い。そしてダルビッシュが言うように、非常に頭脳的な打者だ。ただ頭脳的と言っても暗いイメージでは無く、どちらかと言うとヤンチャなイメージで若い時代は通っていた。ベネズエラのハスラーと言った感じだろうか。勝負師ということだ。後半戦に煮詰まって来たときには、そういうあたりが見所になるだろう。

ミゲール・カブレラの流し打ち

ただ、昨年のワールドシリーズでは、この二人に続く存在がいなかった。高いレベルの投手が出て来たときには打てそうな感じのしない打者が多かった。なので、ここにあともう一人、一流投手が出て来ても対応出来るような「きちんと打つ」タイプの打者が欲しかったのだが、そこに持ってこいの人材が補強された。トリー・ハンターだ。高い守備能力で有名な外野手だが、打撃技術には非常に信頼出来るものが有る。既に37歳のベテランだが、昨年は打率0.313を記録している。最高31本塁打。2割8分、25本塁打レベルの成績を着実に積み重ねて来た、右のポイントゲッターである。

トリー・ハンターのホームラン

見てのとおり、構えた所から無駄無くバットが出てきて、鋭く両手で振り抜いている。こういうスイングだと、相手投手のレベルが上がっても対応しやすいので、大事な場面では頼りになるタイプの打者だ。今年も現在までで打率0.392をキープし、3位につけている。ただ、少し気になるのは、やや後ろが大きなスイングで、いわゆる「下からバットが出る」ところが有る。

このように、投手陣と打線に、それぞれ3人の大物タレントを揃えたデトロイト・タイガースに今年は期待したい。また、ポストシーズンでも比較的見応えが有るチームと言えるだろう。去年、ワールドシリーズを見て、まさに欠けていると思ったワンピースを的確に補強してきた。(トリー・ハンターの加入)そして、そのトリー・ハンターが今のところ好調で、6人が一応ケガ無くロースターに入っている。それだけに、個人的にも今年はタイガースに思い入れが強い。