2012年11月8日木曜日

Who's Who(2)デビッド•ロバートソン(David Robertson)

I was reminded of wall street elite by him. Just a thought.

マリアーノ•リベラの後を継ぐヤンキースのクローザーとして期待されている1985年生まれのパンチャータイプの右腕です。(http://ja.wikipedia.org/wiki/デビッド・ロバートソン_(野球)



投球フォーム
http://www.youtube.com/watch?v=NirW-NZcKHQ&feature=plcp

2012年は65ゲームに登板し、60イニングとツーアウトと言うイニングポイントで、防御率は2.67です。52ホールドで2セーブポイントと言う数字からも主に中継ぎで登板していた事が解ります。2011年の66.2 IPで防御率1.08と言う記録からすると、やや数字が落ちているようです。

速球の球速表示は95マイル前後で、MLBの中では「豪速球投手」の一歩手前の「速球投手」ですが、力の有る速球を投げる投手です。
http://www.youtube.com/watch?v=A_-ET2MdE1U&feature=plcp
http://www.youtube.com/watch?v=ex6EuAXxIRo&feature=plcp

力の有るストレート、シュート方向に滑る速球、ライジング•ファストボール、パンチャーカーブ等が魅力的な投手です。スライダーのような球を有りますが、パンチャータイプの事なので、恐らくカーブでは無いかと思います。

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=jT5TdpvmGeU&feature=plcp)では低めに直進性の高いストレートを投げ込んでいますね。一球目は特に凄いです。

下の動画の1球目に見られるように、シュート方向に大きく滑る速球、そして2球目のようなライジング•ファストボールを投げる投手です。3球目のストレートも直進性が高く、比較的重そうな球質ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=g_FZb76IhqA&feature=plcp

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=sRCJtVbK7mw&feature=plcp)の一球目も大きくシュート方向に滑っていきますね。

下の動画の球はライザーです。
http://www.youtube.com/watch?v=OVtX-pHZvf8&feature=plcp

また、カーブが面白い投手で、この動画のように(http://www.youtube.com/watch?v=9c7YrOA5GcI&feature=plcp80マイルを超すパンチャーカーブを投げます。下の動画では1球目から、カーブ、ライザー、カーブの順番で見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=aco4PuC7Wts&feature=plcp

この動画(http://www.youtube.com/watch?v=kultFJTxEX0&feature=plcp)のボール、特に1球目はスライダーのような球筋ですが、投げ方を見るとカーブのように思えます。カーブが引っかかったのでは無いでしょうか。


フォームに関しては、脚の上げ下げに伴い、骨盤が後傾〜前傾する動きが非常に良いですが、これは同じヤンキースのイバン•ノバ(スインガータイプ)(http://www.youtube.com/watch?v=3-ApoB2c5kw&feature=plcp)にも共通しています。

ただ、骨盤が前傾位に入っているものの、始動時に膝が曲がり過ぎており、そのせいで大腿四頭筋が効きやすいのか、重心の低さ故に、ステップの距離が出ないのか、ターン&タンブルフィニッシュの豪快さは今一歩で、ターンは出来ているものの、タンブル(倒れ込み)の迫力がイマイチですね。これは日本人の投手にも多く見られる傾向です。

セットポジションからの投球で、グラブの中にボールが収まっている状態を長く保つ事で、フォームにまとまりを作っているのがよくわかります。そのあたりと膝の曲がり方等を見ていると、ナショナルズのジョーダン•ジマーマンやスティーブン•ストラスバーグ、ブレーブスのクレイグ•キンブレルと似たタイプのフォームですね。ロバートソンと合わせて4人とも同じコーチに教わっているのかと思うほど良く似ています。

スティーブン•ストラスバーグ
http://www.youtube.com/watch?v=PSdCru7kF_I&feature=relmfu

ジョーダン•ジマーマン
http://www.youtube.com/watch?v=ETUS7E7bsDk&feature=plcp

クレイグ•キンブレル
http://www.youtube.com/watch?v=mMJgUk-8i3c&feature=plcp

デビッド•ロバートソン
http://www.youtube.com/watch?v=Q8q9czKNeYc&feature=plcp

投げる球まで似ているのは不思議なもので、フォームと球種の相関関係も面白い研究テーマです。これらの投手はパンチャーの中でも一つの同じ種族に属していると言えるでしょう。少し膝を曲げ気味ながらも、投球腕の回旋を上手く使い、担ぎ投げやアーム式になるのを回避出来ているタイプです。

ロバートソンに関しては、グラブとボールを割る際、両肩の内旋をやや意識的に誇張しているように見えるのが気がかりで、肩の動きに非常に柔軟性を感じる投手ですが、下半身の使い方を見ても、なんとなく年齢と共にストレートの威力が無くなって行きそうなタイプのように見えます。そのようにして見た場合、この球種のレパートリーでリベラの代役が勤まるのか、やや不安視もされますが。。まとまりの有るコンパクトなフォームなので、制球力、特に低めの制球力でも勝負出来そうな気がしますね。

また、特に脚を挙げたあたりでグラブとボールの位置が少しお腹側に出過ぎているので、爪先重心気味になりやすく、少し膝が潰れ気味になるのも難点です。そうした事から大腿四頭筋が効きやすくなっています。しかしながら、脚を上げ下げする時の骨盤の動きが良いので、ハムストリングスも使えています。大腿四頭筋が効きながらも、ハムストリングスも使えていると言うパターンですね。

素晴らしいのは絶妙なヒップファーストの角度で、これ以上角度が浅くても後ろ脚に体重が乗りませんし、これ以上角度が深くても、グラブとボールが割れにくくなります。そうしたギリギリのところでバランスを取っています。全体として「バランスに優れたフォーム」だと言えるでしょう。

http://www.youtube.com/watch?v=sRCJtVbK7mw&feature=plcp

ただ、気になるのは前脚を挙げると同時に身体をくの字型に折り曲げヒップファーストの形を作っている点で、これをやると重心移動はスムーズに始まりますが、それは始動前に重心移動が始まりやすい事を意味するので、パンチャーの技術としてはどうなのか。その辺は今後の研究課題です。