2012年6月30日土曜日

6月30日雑記

(1)http://www.youtube.com/watch?v=Gw6Yquc7gYQ&feature=plcp

これまでのところ打率0.342(6位)の8HRと目立った活躍を見せているマイク•トラウト。このスイングにはボトムハンドでヘッドを残しながら引っ張らずに、トップハンドでヘッドを出して来るパンチャーの特徴が良く出ています。スイングがコンパクトというよりもヘッドの出が速いと言う事です。因に、このスイングを見て同じエンゼルスにいたティム•サーモンを思い出す人も多いでしょう。トラウトサーモンとはニジマスの事です。似たような名前の2人が同じチームで似たようなスイングをしているのは面白い偶然です。

(2)http://www.youtube.com/watch?v=0Af0PH9C75c&feature=relmfu

この前にも書きました、脊柱直立の構えを今期から修正したクリス•ヤングが、キンブレルから値千金のホームランを打ちました。2対2の9回表にクローザーからホームランを打ったのですから値千金でしょう。キンブレルとしては甘い球とは言え。

(3)http://www.youtube.com/watch?v=6vRqfMVmU-c&feature=plcp

ブレーブスの若手Andrelton Simmons (1989年生まれ) は今期0.314の3HRと活躍しています。かなり良いスイングです。後少しで四頭筋立ちになるギリギリのバランスですが、このバランスでこのスイングが出来ると言う事は、骨格、肉付きが良いのでしょう。このくらい大きなスイングの打者(http://www.youtube.com/watch?v=fGz2jk177nA&feature=plcp)がこうやってインコースを打つと脅威でしょうね。このインコースへのヘッドの出の速さは両手振り抜きだからこそです。今後も期待出来そうな打者です。

(4)http://www.youtube.com/watch?v=sd4ybh_w8hA&feature=plcp

EMILIO BONIFACIO 20盗塁で現在4位(両リーグ)右腕を下げて構えています。盗塁のスタートは右腕を下げた方が良いのです。二塁方向へのターンがスムーズで、重心が浮きにくく、足離れがスムーズ等の効果が有ります。ボニファシオのスタートも良い線行っています。

(5)http://www.youtube.com/watch?v=By1JQFxfLMM&feature=related

ボルトがヨハン•ブレイクに敗れたようですが、素人目に見てもボルトのような手足の長い選手がしなやかに走るわけですから100mよりも200mの方が力を発揮出来そうに見えますね。ところで、黒人の走りで腸腰筋が効いてるなと思うのは上半身が後ろに流れない事です。あれだけのスピードで走ると、上半身には反作用や空気抵抗がかかり、後ろに流れそうになるものだと思いますが、黒人ランナーの場合、その反作用や空気抵抗に打ち勝って上半身がグングン前に向かう感じがします。この動画でも負けてはいるものの1レーンの紺色の服の選手がそういう感じが良く出てます。(1.09〜のスロー)モーリス•グリーンもまさにそういう走り方でした。

もう少し考察を深めると、腸腰筋が弱く、上半身、特に胸から上が後ろに流れてしまうと、走っている中で胸椎の後湾した状態が作りにくく、それが脊柱の前後のバネのようなしなりを出しにくくしているのでしょう。

走っている時に、横から見て両方の大腿骨が重なるシーンが有ります。このタイミングで胸椎が後湾し、そこから片方の股関節が伸展していくにつれて腰が突き出され、脊柱が反って行きます。ボルトなんかはそのしなりが大きいですね。

(6)一度下がる。

打ち方を変える、、例えばスインガーからパンチャーに変えるくらい大きな変化だと、一度パフォーマンスレベルが下がる事になります。ただ、一度下げても、最終的により高いレベルに到達出来るなら、その価値が有る訳です。例えば今のやり方だと80点しか取れないのが、やり方を変えると90点取れる。ただ、そのために一度30点まで下がる覚悟がいると言う事です。パンチャーのオートマチックステップの場合、日本人の場合、特にその落差が大きいかもしれません。今70点だったとすると、それをスムーズに75点、80点と挙げて行けるわけでは無く、一度50点くらいに下がる覚悟が必要になるわけです。その挙げて行く上で、黒人的な身体機能に近づくと言うのは大きなテーマになります。

(7)http://www.youtube.com/watch?v=7mLe1F_BKvI&feature=plcp

ジャンカルロ•スタントンで良いなと思うのは投手方向から見た構えのバランスで上半身の前傾具合が絶妙だと言う事です。ただ、腸腰筋が弱いと、上半身そのものをクラウチング気味に前傾させないと骨盤が前傾しないので、スタントンくらいの構えだと骨盤の前傾角度が不足してしまう場合が有ります。同じ人でも運動不足で腸腰筋が弱って来るとクラウチング気味にしなければ骨盤が前傾しません。しかしそうするとバランスが悪くなるので、弊害が出るわけです。つまり、そういう状況では技術論以前に身体を作らないといけないと言う事です。

前述のAndrelton Simmons くらいのバランスで、あのスイングが出来るのは、腸腰筋が強いのであのバランスでも充分に骨盤が前傾してくれるからです。こういう場合、クラウチング角度も小さくて済むので楽に投球を待てると言う効果も有ります。