2014年6月23日月曜日

2014年6月号

(6/23)素振りと始動時の後ろ戻りの関係

 オートマチックステップの素振りでは始動時に様々な癖が出る事が多い。この癖は実打になれば消えるケースも有れば、実打でも消えないケースが有る。教科書シリーズ第2章で説明したAPAは始動時の下肢出力の正体だが、これは目的動作の方向と関係がある。つまり前にパンチを打とうとした場合には身体を前に運ぶ。今までオートマチックステップで始動時に投手方向に重心移動が起きるのは構えのバランス上、後ろ脚の方に負荷がかかっているからだと考えてきた。これも一因には違い無い。しかし、それ以上に前にバットを振ろうとする事が原因になっているという事が解った。
 素振りで一番難しいのは、動作の標的が曖昧になる事だ。標的が曖昧になれば、動作も大雑把になる。逆に一点に集中すれば、そこに向かって動作にもまとまりが出る。素振りの時はボールほどの大きさの標的を見つめた方が良い。今までオススメしてきた巻き戻し連続素振りはこれがやりにくい欠点が有る。目標が無ければ力をどこに向かって発揮するのかという意識が曖昧になる。これが素振りの欠点だが、標的を見つめる事でそれは解消される。

 スイングは円運動でヘッドは最初は捕手方向に動く。ただ単に振るだけだと、どこにむかって力を集約させるかが曖昧になる。標的を見る事で力を集約させる方向が明確になれば重心移動の方向も安定するだろう。