2013年9月13日金曜日

オートマチックステップ巡礼の旅(41)チュ・シンス

秋 信守と書いてチュ・シンスと読む。英語表記ならShin-Soo Choo となる韓国人メジャーリーガー。

少年時代の憧れはケン・グリフィーJr。それでいて打ち方はパンチャータイプのオートマチックステップにするあたり、正確な目も持ち合わせていたと言う事だろうか。高卒と同時に韓国プロ入りを拒否し、渡米。2005年にメジャーデビューを果たす。3割前後の打率と、20本前後のホームランを安定して期待出来る打者で、現場での評価が高い。アメリカ球界がよく使う表現だが、いわゆる「過小評価されている選手」と言う評価を受けている。2011年は低迷したが、今期も打率0.290の20本塁打を既に記録しており、息を吹き返している。また20盗塁以上を3度記録している外野手で5ツールプレイヤーとの評価もメジャーから受けている。ヘルメットの耳カバーが両方ついているが、スイッチヒッターでは無く、左投げ左打ちである。

3割20本前後の数字を安定して残し続けるのは、両手振り抜きのオートマチックステップらしい。チュ・シンスもそういうタイプだろう。

満塁ホームラン


一試合ホームラン3本


フォーム的には前脚をつま先立ちにしてから始動するオートマチックステップだが、体重を地面にかけて、地に脚がついた状態から始動出来ているので、スイングに安定感が有る。そういう意味ではアメリカ人に多い大雑把なオートマチックステップよりかは見所が有る。インコースは引っ張り、アウトコースは流し、フィールド全体にホームランを散らせる事が出来る技術も、現場の評価が高い理由では無いだろうか。

この動画には後半に斜め横からのシーンが有り、ステップの動きが良く解る。


アジア系でメジャーで成功したと言える野手は、イチローと松井秀喜と、このチュ・シンスの3人だろう。その中でも打撃技術そのもので言えば、このチュ・シンスが最も高いのでは無いかと考える。(自分の提唱する打ち方だからと言うのも有るが。)

イチローは、打撃スタイル自体が変則的で、それほど長打は望めない。やろうと思えばチュのような成績は残せたかもしれないが、塁に出る事に特化された打撃技術では、純粋な打撃技術での比較はやりにくい。松井にはアジア系としては規格外のパワーが有るが、メジャーでは実力を発揮し切ったとは言い難い。そう考えると、チュ・シンスが打撃技術そのものでは最も評価出来る。

通算成績はメジャー9年間で、打率0.289 本塁打103 盗塁102

wikiの記事

まだ31歳と若く、これから全盛期に突入すると考えられる。プリンス・フィルダーにも似た柔らかさを感じさせるチュ・シンスに注目してほしい。

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