2012年10月13日土曜日

MLBの現役スインガー投手


周知の通り、MLBの場合、打撃においてはパンチャータイプが圧倒的多数を占めています。現役で活躍しているスインガータイプはジョシュ•ハミルトンやジョー•マウアーなど、極少数の選手です。

相手投手にタイミングを合わせる必要の有る打撃においては、動作がシンプルなパンチャータイプが多数派となり得たのですが、相手にタイミングを合わせる必要の無いピッチングでは、以前多数のスインガータイプが活躍しています。見た感じでは7対3くらいでパンチャーが多いといった感じでしょうか。6対4にまではなっていないと思います。

もう一つの話題として、加速する道具が軽い方が、やはりパンチャー特有の「瞬発的な力発揮」には適しています。その意味では道具が元々軽いピッチングにおいては昔からパンチャータイプが結構いました。そういう意味では打撃ほど革命的な変化は起こっていないと言えるでしょう。

今回は、MLBで活躍する現役のスインガータイプの投手を挙げていきます。

ジオ•ゴンザレス(今期21勝でMLB最多)
近年の野球では珍しい、素直なストレートと大きくて緩いカーブのコントラストを武器にする古典的なタイプ。この投球スタイルはスインガーならでは。

CC•サバシア (ヤンキースの左のエース)
スライダーを武器にする比較的、近代的な投球スタイルのスインガー投手。後ろ脚の使い方が上手く、抜群の安定感を誇る。

ブレット•マイヤーズ 
この投手も大きな弧を描くカーブが素晴らしい。

エドウィン•ジャクソン
中速〜高速系の変化球を投げる近代的なスインガータイプ。

バリー•ジト
今中慎二を彷彿とさせるスローカーブ&ストレートの組み立て。

ジョシュ•ベケット(今期ドジャースに移籍した元レッドソックスのエース)
カーブも良いが、速球を動かしたりもする近代的な投球スタイル。

イバン•ノバ
ヤンキースの右のエースに成長しつつある若手。
http://www.youtube.com/watch?v=-NCThKVR6Ps&feature=plcp

アンディ•ペティット
今季も登板した大ベテラン。0.38あたりからのカーブはやはりスインガーらしい。彼を見ると、どうも元阪神の猪俣や井川を思い出してしまう。
http://www.youtube.com/watch?v=gxo4P4jtoog&feature=relmfu

コール•ハメルズ
球はそれほど速く見えないが、いわゆる腕が遅れて出て来るタイプで打ちにくいのでしょう。今期17勝。コンスタントに2ケタ勝利を続けている。
http://www.youtube.com/watch?v=QxnHPJ0H1-U&feature=plcp

リバン•ヘルナンデス
60マイル台のスローカーブを投げる右のスインガー。(0.30~)キャッチボールのような軽い投げ方で球速はあまり出ない。
http://www.youtube.com/watch?v=YEb3JTWdBZc&feature=plcp

ダルビッシュ•有
スインガータイプとしては非常に近代的なピッチングスタイルの投手。メカニクスはスインガーでピッチングスタイル(投球内容)はパンチャー的。ただ実際にはこのタイプのエース級が現在のMLBには割と多い。スインガー、パンチャーと言う枠組みを外して投球スタイルで論じれば、フェリックス•ヘルナンデス、ジャスティン•バーランダー、ジョシュ•ベケット等、現在のMLBにおける右のエース級の典型的なスタイルだろう。ダルビッシュ自身は1.40からの63マイルのスローカーブを見ると、明確にスインガーである事が解る。
http://www.youtube.com/watch?v=JL7IEpQ6kwQ


この他にも、断言しにくい例も含めると相当数のスインガー投手がいますが、とりあえずこれだけの投手を見ると、スインガーの特徴が少し見えて来ると思います。特に「カーブの球筋と、その投げ方」と言う切り口で見てください。